明治から昭和にいたる石川県史を映像化。通史にそいながら県内の歴史的な事象を追うシリーズ。今回は１９６０年（昭和３５）から６５年ごろまでを検証する。◆日米安保条約改定をめぐり国論が二分された１９６０年。石川県内は自衛隊ジェット基地反対運動のさなかだった。翌６１年には小松基地が開庁、池田内閣の経済成長路線に乗り、県内でも大型開発事業がスタートする。２期にわたる田谷充実知事のあと中西陽一知事が初当選した６３年１月は、のちに「３８豪雪」と命名された未曽有の豪雪で、金沢で１８１センチの積雪を記録した。◆「ドキュメント石川　維新・デモクラシー・大戦」

“食”にまつわる疑問をいろいろな角度から探る番組。最終回は「食の裏側」を特集した２時間スペシャル、生放送。司会は愛川欽也と榊原郁恵。（１９８７年４月６日～１９８８年９月２６日、全６７回）◆「缶詰を開けられない」「はしが使えない」などの子供たちの実態、さらには「マッチが擦れない」「米を洗剤で研ぐ」など、大人にも起きている食生活の異変を紹介する。他に、お酒からダイヤモンドを作るなど食にまつわるハイテク技術や、全国の名産品と呼ばれる物が他所の素材で作られている現象など、知られざる食の世界も紹介。

銭湯を舞台にした人気ホームコメディー新装版のスペシャル。婚礼の支度で賑わう“梅の湯”に娘が一人紛れ込んできて起こる騒動を描く。◆いつも賑やかな梅の湯だが、この春は出もどり娘の弥生（篠ひろ子）が幸三郎（地井武男）と結婚するために女主人・ウメ（森光子）はいっそう忙しい。そんな中で、家の食べものが消える珍事件があい次ぐ。昭坊（石橋貴明）も竜ちゃん（木梨憲武）も容疑を否定、大捜索の結果床下に住んでいた汚らしい娘（南野陽子）が見つかった。

１９８８年春に開通を控えた瀬戸大橋、開港する新岡山空港など大きなプロジェクトを抱えている岡山・香川両県の「いま」をカメラの目で追う。

ポルノ女優の小夜子に思いがけない遺産が転がり込み、再起を図る監督はその遺産を当てこむ。◆小夜子（南條玲子）は、母から「すでに亡くなっている」と教えられていた父の危篤を知り、病院に駆けつける。父の死後、異母兄弟が遺産として小夜子に１億６０００万円の住宅を贈ると申し出た。ポルノ制作中止という会社の方針で失業した監督の青山は、その遺産を元手に映画を作ろうと言い出した。

東京湾の浅瀬を舞台に、たくましい生活力で生きぬくハゼを中心にさまざまな魚の生き残り戦略を描く。◆埋めたてにつぐ埋めたてで、海岸線の９割がコンクリートで覆われている東京湾。水中はヘドロが漂い視界は１メートル以下、３メートル潜れば深海のように暗い。しかし浅瀬が沖合数キロに及ぶ海は生き物にはまたとない環境で、うまく適応した魚が案外住んでいる。なかでもハゼはその代表格。湾内に一番多いのはマハゼ、「チチブ」通称ダボハゼは空缶を巧みに利用して巣としている。その産卵の全過程を追う。

昭和２０年８月６日、県立広島第一高等女学校では広島市内で作業をしていた一年生・２２０人全員が亡くなった。少女たちは建物の取り壊し作業に動員されて被爆したのである。生徒たちが残した日記をもとに、彼女たちの束の間の青春をアニメーションで描き、今なお娘の死を悲しむ親たちの日常を取材する。◆１９８８年（昭和６３）の夏、広島市原爆資料館にボロボロに焦げた女学生の夏服が届けられた。敗戦間近、憧れの“第一県女”に入学しながら儚く散った少女たち。その多くが入学のときから被爆する日の直前まで日記を綴っていた。

熊本県内各地で歌い継がれる「ふるさとのうた」を紹介するシリーズ（１９８８年４月３日～１９８９年３月１９日放送、全５０回）。『肥後シリーズ』は１９８６年日本民間放送連盟賞（放送活動部門）受賞。◆下益城郡小川町の「オロロンベー」はユーモラスな踊りを伴った賑やかな子守唄。以前は雨乞いにも登場した民俗芸能である。そして天草郡有明町の「大浦の子守唄」は、子どもへのあたたかい愛情に満ちた優しい響きを持つ。二つの子守唄には次の世代への願いが込められている。