１９４２年（昭和１７）中国・内蒙古からチベットの首都ラサ（拉薩）まで６千キロの巡礼行を敢行した西川一三の足跡を４回にわたって紹介する、その第３回。◆ゴルム市はラサへ通じる道の重要起点。崑崙山脈が目前に迫る。その難関を越えると無人の荒野で、マーモット、ナキウサギが顔を見せる。高山病に悩まされながら通天河を渡り、西川一三の追体験をする。

入植者と既存農家から成る岩手県・花平の集落の人々が、開拓のなかで培ってきた結束力を綱引きに向ける。忙しい作業の合間をぬって練習を重ね、岩手県大会で優勝、全国大会へと進むすがたを描く。◆岩手山麓の南西部に広がる開拓地・花平は、戦後満州から引き揚げてきた入植者と地元の既存農家からなる集落で現在は全戸数の６割が酪農専業農家である。開拓２世たちは厳しい条件下で開拓を進める親たちの背を見て育ち、結束こそ困難を乗り超える道であると体で覚えてきた。２世に受け継がれた開拓魂は今、綱引きに生かされている。練習を重ねてきた成果は見事に発揮され、男子１２０チーム、女子５２チームが参加した岩手県大会で２年連続のアベック優勝に輝き、全国大会へと進出する。◆ＩＢＣスペシャル　ドキュメンタリー特集。

著名人２０人による歌にまつわる話や、各界で活躍するゲストによる独自の歌謡史観などをもりこみ、１９６４（昭和３９）年から現在までの名曲を視聴者からのリクエストと各界著名人のアンケートをもとに選曲する。

原爆が投下される前日、ごく普通の人々のありふれた一日を描き、それが原爆によって無残に断ち切られたことへの憤りと悲しみを訴える。日本テレビ開局３５年記念特別番組。原作：井上光晴。◆１９４５年８月８日、長崎では戦時中ながらも人々の生活が続いていた。祝いごとがあり、悩みがあり、明日の約束を交わしていた。城山町の市営住宅に住む三浦家では、長女ツル子（大竹しのぶ）の出産、次女ヤエ（富田靖子）の婚礼と二つの祝いごとが重なっていた。戦時中ゆえに質素にしなければならないが、集まった人々の顔は喜びに溢れている。賑やかに宴が張られた。

戦後４３年、ほとんど交流することがなかったサハリンと札幌を衛星中継で結んで、両国の子供達がテレビを通して対面した日ソ協同制作の特別番組。「テレモスト」とは、ロシア語で“テレビの橋”を意味する。この番組が実現した背景には、ソ連国内で「ペレストロイカ」「グラスノスチ」が浸透し、１９８８年に北海道放送とサハリンのゴステレラジオとの間で調印された姉妹局提携があった。地図では近いサハリンと北海道だが、この番組を放送するには、地球を一周するほどの複雑な中継が必要だった。双方、放送局のスタジオともう１ヵ所に地元の小学生が集合した。子供達は、プレゼント交換をしたり、算数の問題を出し合ったり、声を合わせて合唱しながら、生まれて初めて目にする相手側の映像にじっと見入った。札幌のスタジオには、横路北海道知事と板垣札幌市長が、サハリン側にはクロパトク・サハリン州知事とユジノサハリンスクのダンシン市長が、子供達の交流を温かく見守った。

ポルノ女優の小夜子に思いがけない遺産が転がり込み、再起を図る監督はその遺産を当てこむ。◆小夜子（南條玲子）は、母から「すでに亡くなっている」と教えられていた父の危篤を知り、病院に駆けつける。父の死後、異母兄弟が遺産として小夜子に１億６０００万円の住宅を贈ると申し出た。ポルノ制作中止という会社の方針で失業した監督の青山は、その遺産を元手に映画を作ろうと言い出した。

まずい水、臭い水が上水道への不審感をもたらしている。飲み水の水質を追求して都市水道の現状調査を行い、その対応策を考える。◆現代の都市は、上流の都市の下水の排水が流れ込む川の水を原水として使っている。その臭いや汚れは現在の技術では完全に除去できない。飲み水の水質改善には処理技術の高度化だけでなく、下水道の改善が必須の条件となる。こうした問題を、江戸川と淀川を舞台にＢＯＤ（生物的酸素要求量）やアンモニア性窒素といった水質基準を鍵にして明らかにしていく。

四国の四万十川を舞台に、ひ弱な少年がひと夏で成長していく姿を詩情豊かに描く。◆四万十川のほとりの山あいの村。病気をして以来無気力な父（小林稔侍）に代わって母（泉ピン子）がきりもりしているよろず屋の次男・あつよし（伊崎充則）は体も弱いが気も弱い。転校してきた貧しい家の娘千代子（吉村淳）がいじめられても、あつよしはかわいそうに思いつつも止めることができず見ているだけだった。しかし姿を隠した猫をさがすのを手伝ってくれた千代子に、あつよしは淡い思いをよせるようになり、いじめられる千代子をかばう勇気をもてるようになる。