九州・福岡の小さな町に伝わる伝統の奉納能に、小学校最後の夏休みをかけて取り組む４人の子供たちの７７日間を、そのうちの一人の日記という形で描く。◆福岡県三池郡高田町開は、柳川藩が累代にわたって干拓し開拓した土地で、有明海をのぞむ人口１万８千人の小さな町。鎮守さまの宝満神社へ奉納される新開能の起源は１７１６年と古く、父から子へ子から孫へと伝えられてきた。しかし仕事の少なさから地元を離れる若者も多く、今では出演者に困ることもあるほど。開小学校６年生の末吉隆弥君、末吉茂君、只隈慎一郎君、西山幸祐君の４人はこの能に出演することになった。８月５日の持寄り（配役決定）から１０月１７日の奉納の日までの７７日間を追う。

さまざまな制約の中から、「作品」とも呼べる家屋が完成するまでを追うドキュメンタリー。苦労の多い「家造り」を通して、「家とは何か」「生きるとは何か」を、大量生産的な家を拒否する安藤さんと、それに共鳴した夫婦とともに考える。◆建築家・安藤忠雄さんの事務所に、若いサラリーマンの夫婦が、自宅の新築を依頼に来た。下町の商店街の中にある１５坪の土地、予算は２千万円。制約は多いが、建築の原点ともいえる小住宅の設計に安藤さんは自分の思想を生かそうと挑んだ。しかし、工事期間６カ月の間に資金、施工、近隣とのトラブルなど、色々な障害が出てくるのだった。

６５歳以上のお年寄りがついに全人口の１０パーセントを突破し、激増する認知症や寝たきりの老人に対する介護がより必要になってきている。これらの老人を介護する体制の問題点を明らかにしていく番組。（全４回）◆第２回は、家庭にかかる介護負担の実情、自治体による公的サービスの実情、民間企業のサービスなどをリポート。

１９８５年（昭和６０）、アメリカは４９７億ドルにのぼる史上最高の対日貿易赤字を記録。日本への不満の声は一挙に高まった。一方、円高は予想を越える急ピッチで進み、日本国内では企業倒産に備え“円高対策”が叫ばれている。しかし、アメリカ側は日本の円高対策そのものが輸出産業保護だと非難している。円ドルの適正レート・安定した通貨制度・市場解放・自由貿易・金利の引き下げなど、日米経済体制の中で最も賢明な方途を求める日米テレビ討論。◆副音声は英語

千年の都・京都の繊維問屋の三女に生まれたヒロイン・悠（はるか）は、両親の愛の下に何不自由なく育つが、店の後継ぎのことで父に反抗して出奔。大阪で生きる知恵と情熱、そして恋人を得た後、戦時下の奈良で愛することの哀しみと人の心の深さを学ぶ。持ち前の才気とバイタリティーで、戦中・戦後の動乱期を駆け抜けた、たおやかな京娘の青春快走記。作：重森孝子。ＮＨＫ連続テレビ小説第３７作。（１９８６年１０月６日～１９８７年４月４日放送、全１５０回）◆第１回は、祭りと絵が好きな明るい女学生・悠（加納みゆき）が、２人の姉を差し置いて店の後継ぎに指名されるてんまつを描く。

５０人の知的障害者たちの、人としての生きがいと地域との温かい触れ合いを描く「希望の森の仲間たち」シリーズの第２作。愛媛県宇和町の知的障害者更生施設「希望の森」が開園してから２年。園生たちが一つの家族として助け合う一方、町の人々とも隣人として親密な交流が芽生えてきた。初めは不安や戸惑いのあった地域社会から、２年後には受け入れられるようになった。町民運動会や秋祭り、駅前花壇のボランティア活動など、町おこしにも積極的に参加、その姿を追う。

遠くイタリアまで赴きながら夢破れた女性が心機一転、現地で珍商売を成功させる。セゾンスペシャル。◆ファッションデザイナーを目指してミラノに渡った田代優子（大地真央）。しかし夢はかなわず、南国シチリアでタコ焼き屋を開店する。土地の温かい人々に見守られ、店は大繁盛する。やがて坂口（林隆三）という中年男と知り合った優子は、しだいに彼に惹かれていく。坂口はかつてオペラ歌手を目指し、挫折した過去をもっていた。

「サレンダーという英語は降伏であって、終戦ではない。降伏を降伏として認めてこそ、日本は本当に再出発ができるのだ…」。ミズーリ号上で降伏調印の全権となった外務大臣・重光葵の３３冊にのぼる手記が発見された。これは上海事変から終戦に至る激動期に日本の外交がたどった道を記録した、第１級の史料である。上海でのテロ事件、チャーチル首相との出会いと決別など、生身の人間としての重光の苦悩が鮮やかに浮かびあがってくる。悲運の外交官の生涯を、軍国主義・戦争という日本の悲劇と重ね合わせて描き、あらためて平和について問うドキュメンタリー。