徳川幕府が禁教と鎖国制度を一段と強化した時代に、それに反逆するかのような行動をとり続けた１人の男がいた。その男の足跡を世界各地にたどりながら、埋もれたキリシタンの歴史にスポットをあてていく。豊臣秀吉の“伴天連追放令”の出された年に大分県国東半島に生まれた、ペトロ岐部という人物がいる。その日本名は分かっていない。セミナリオで学び、マカオに追放された彼は、ローマを目指して単身旅立つ。

日本三景の一つとしてたたえられてきた宮島の冬を、厳島神社を中心に紹介する。◆厳島神社創立は、推古天皇即位元年（西暦５９３年）といわれている。市杵島姫を主神とし、民間には航海守護の神として信仰され、また弁財天の社として全国各地に祭られている。社殿は海中に立ち、宝物類には平家寄進のものが多く、大鳥居、朱塗りの殿堂、五重塔、千畳閣、能舞台など国宝・史跡に富んでいる。

高齢化社会の到来とともにクローズアップされてきた認知症は大きな社会問題になっている。この老いの果ての問題と実態を、ともに苦悩する家族を追いながら「残された人間性」に焦点をあてて描くドキュメント。

足の不自由な不治の病の娘を乳母車に乗せて、遍路の旅を続ける母とその妹がいた。実は母親は、夫殺しの罪を償うために遍路に出たのであった。その旅の途上、三人は殺したはずの夫、娘たちの父にそっくりな男と出会う。この幻の父との遍路を通し、母娘三人のそれぞれ背負った人間的な苦悩が、めぐり来る四季の美しさと生命力の中で浄化されていく姿を描く。

日本三景の一つとしてたたえられてきた宮島の、風土や夏の行事・管弦祭などを紹介する。◆宮島の夏を彩る最大の行事である管絃祭は、旧暦６月１７日に行われる。午後５時に厳島神社からみこしを和船３隻に移し、海上で雅やかな管弦を奏しながら神事を行うので管弦祭という。参拝者を乗せた御供船も多数浮かび、その様子を眺めようとする人々が山へ詰めかける。この夜は海も山も人で満ちあふれる。

シングルスカル（一人乗りボート）種目でオリンピック大会出場に挑戦する若者を描く。原作：山際淳司。◆１９７５年冬の東京。津田真男（佐藤浩市）は志望大学の受験に失敗し、不本意な大学に通って４年生になった。そんな自分が嫌になり、何か自分にできる夢を持ちたいという思いが募ってきた真男の出した結論は、「オリンピックに出場しよう」という実に突飛なものだった。◆１９８０年モスクワ五輪・シングルスカル日本代表、津田真男選手の物語。

木曽の流れが長い旅を終え、海原と交わろうとする尾張平野に水郷がある。愛知県立田村はかつて道らしい道もなく水路でつながれていたが、今は南北に走る一本の水路だけが残る。昔から水害で多くの犠牲を強いられたため、独特の水屋を造りあげた。全村湿地帯で、レンコン栽培が盛ん。極楽浄土に咲くハスの花が夏の葉陰にりんと光る。◆水への感謝を込めた『提灯とぼしの祭』に、水郷の人々の祈りを見る。◆水郷、提灯とぼしの祭〔愛知県〕

東京・下町に住む仲よし３人組の老人たちが巻き起こす「老人対社会」の戦いを、コメディータッチで描くシリーズ。（１９８３年６月２４日終了、全２０回）◆元行司で、ちゃんこ鍋屋の隠居・勝造は、ローラースケートで放火犯を追いかけるほど達者だ。が、息子・庄太郎夫婦はそんな勝造を厄介者扱いする。ある日、勝造は孫娘が恋人とホテルから出るところを目撃してしまう。