劇症肝炎にかかり脳死直前にまで至ったが、看護の甲斐あって奇跡的に回復したサラリーマンと家族の闘病ドラマ。◆ある日、カゼを引いたと言って帰宅するなり寝込んだ夫・時彦（上條恒彦）が、突然起き上がったりばったり寝たりする奇妙な症状を示すのに気づき、尚子（佐久間良子）は医師に往診を頼む。意識障害が出ているといわれ救急車で病院に運ぶが、劇症肝炎で手遅れだと言われる。時彦は脳死寸前にまでなりマンションでは社員たちが葬式の準備を始めた。しかし尚子はあきらめず、秘書の純子（和由布子）とともに社員２０名の協力をとりつけて血液の入れ替えを試みてもらう。

長野県八坂村で山村留学をしている子供たちの中で、母を亡くし父や兄と別れて村へきた一人の小学生に焦点を当てて子供たちの毎日を紹介する。◆都会の子どもたちが親元を離れ、里子として預けられながら山の豊かな自然の中で暮らす“山村留学”。八坂村には３０人の小学生が生活している。小学校５年生の細谷研くんはアメリカ・ロスアンゼルスで３年間暮らして帰国したばかり。アメリカで母を失い、学校から帰っても迎える人のいない生活になってしまうことを心配した父が山村留学の道を選んだ。環境の激変にとまどい、母親の話題が出ると涙ぐんだりもした研くんだが、しだいに慣れ、たくましくなってゆく。

１７年間、２０００試合を１度も休まなかった男、広島カープ・衣笠祥雄選手。その驚くべき持続力の秘密はどこにあるのだろうか。番組では、１９８６年冬の自主トレから２０００試合連続出場前夜まで、衣笠選手を徹底的に観察する中でそれを解き明かし、彼の野球に打ち込む根性と情熱をつづる。衣笠はこの番組で初めて、デッドボールを受けても大怪我をせずにすむ独自の逃げ方を明かし、スランプ脱出のために詳細に打撃方法を自己分析した日記を公開する。

毎週日曜の朝に、岡山・香川県下の町おこし、村おこしにつながる新しい動きを、産業や観光の面から捉えて伝える。また、その週のホットニュースにもスポットを当てる。

開園５０周年を迎えた名古屋の東山動物園の半世紀をふり返るドキュメンタリー。初代園長、北王英一氏や関係者の証言で、開園に至るあゆみから、戦中の悲話、戦後の「ぞう列車」などのエピソードを盛りこみ変遷を語る。◆北王さんは１９１３年（大１２）から動物園に勤め、１９２７年（昭２）に園長となった。１９４４年（昭１９）、空襲の激化により猛獣射殺令が出たが、必死の嘆願で４頭の象を守る。しかし２頭は栄養失調で死に、戦後日本に象は２頭いるだけとなった。上野動物園にもいない象を東京の子供たちに見せるために、「ぞう列車」が走ることとなる。

世界に４つしかない曜変天目茶碗は、偶然が生み出した炎の奇跡とも言える。作家・宮尾登美子氏が、大阪・京都・東京に三つの曜変天目茶碗を訪ね、その美を探る。◆曜変の「曜」には光り輝くという意味があり、窯の中の温度変化や炎の加減によって生じた星絞に光線が当たると神秘的に光り輝くことからそう呼ばれる。中国福建省で１３世紀頃に焼かれたもので、４つすべてが日本にあり、３つまでが国宝に指定されている。番組では特に自然光の射しこむ中で茶碗を写し、新しい角度からその美をとらえる。

規制の不十分な食品添加物や農薬などについて農作物、水産物、輸入食物を主に取り上げその安全性を検証する。◆グルメ・ブームといわれる豊かな食卓を支えるのは食品。しかし消費者の目に見えないところに危険が隠されている。漂白剤でみかけの良い野菜、ホルモン剤を埋めこまれた輸入牛肉、薬づけの養殖ハマチ。日本人の食卓にのぼる食品の安全性をめぐって、生産・流通の現場を探査していく。

東京・台東区谷中は坂と路地と寺の町。寺町として江戸時代、栄えた界わいは今でも約１００の寺を残す。その寺々の高いいらかの間には、三代、四代とこの地に住み続ける住人たちの低い家並みが広がり、路地には下町庶民のふだん着の暮らしが息づく。谷中の町や著名人が眠る谷中霊園、数々の寺、大名時計博物館、江戸千代紙、朝倉彫塑館など、今に生きる“江戸”と人々の暮らしを紹介する。