初老の男が自分の出生に疑問を抱き、そのルーツをたどっていくドキュメンタリータッチの異色作。作家・山口瞳氏の自伝的・母への賛歌。小林桂樹が主人公ほか４役を演じる。（全５回）◆第４回。“ワギダ”が横須賀あたりの地名と知った瞳（小林桂樹）が横須賀を訪れる。ワギダは和木田といい、以前遊廓のあったところだとわかる。母は藤松楼という大きな妓楼の一人娘で、そこで生れ、育ち、娘時代を過したのだった。瞳はようやく母を探りあてた気持ちになる。

三平三平（みひらさんぺい）は祖父一平と二人暮らし。東北の山奥の村に住み、都会とは無縁の生活をしていた。一平は釣り竿作りの名人で、同時に釣りの名人でもある。三平はその祖父の血を受け、且つ厳しい薫陶を受けて、子供ながら祖父をしのぐ釣りの名人になっている。幼なじみのユリッペや魚紳らと共に、ある時は幻の怪魚に挑む為、またある時は釣りの勝負に挑む為に日本全国、果ては世界中のどこへでも出掛けて行く。原作：矢口高雄。（１９８０年４月７日～１９８２年６月２８日放送、全１０９回）

戦争で家族を失った小学生の女の子が一人で戦後の動乱を生きぬく姿を描く。（１９８０年９月５日終了）◆第二次大戦中の１９４４年（昭１９）夏、小学６年の江井敏子（高部知子）は、神奈川・二宮の農家に疎開しようとしていた。長兄は航空隊、次兄は特攻隊員となり、死を覚悟していた。◆原作：高木敏子

敗戦の混乱期における食料確保や農地改革、農業基本法そして近年の減反問題と、戦後の日本農業は多くの課題を抱えて激動の時代を送ってきた。戦後、農業問題の基本的施策の審議に数多く参画した東大名誉教授東畑精一さんの証言をもとに、戦後の農政史を振り返る。きき手は日本経済新聞論説委員の山地進氏。第１回目は、戦後農政のスタートとなった農地改革を中心に語る。（１９８０年５月１日終了、全４回）

教育テレビ開局２０年を記念した大型企画として乗りものの技術史を取りあげた１０回シリーズ番組。第１回は「だれがＳＬをつくったか～蒸気機関車・前編」。教科書に書かれたＳＬの発明者スチーブンソン以前に、イギリスのトレビシックは最初の蒸気機関車を作っていた。イギリス各地を訪ねて克明に記録をたどりながら、蒸気機関車の発明から鉄道開設までの歴史にまつわるエピソードを取りあげ、技術の誕生を興味深く描く。

勉強はからっきしだがケンカとイタズラは天才的な小学生、桜間長太郎。あだ名はあばれはっちゃく。型破りな発想と抜群の行動力で巻き起こす数々の事件を描く。（１９８０年３月２２日～１９８２年３月２７日放送）◆東京に転居した長太郎は転入した小学校で早速クラスメートと衝突してしまう。ケンカには勝つが、隣のみゆきちゃんの着替え姿を見てしまい、みゆきちゃんから挑戦される。長太郎は合気道をならっているみゆきちゃんになかなか勝てなかったが、とうとう１本とることができた。

昭和初期の東京を舞台に、２人の男の友情をそれぞれの家族の愛情にからめて描く、連続４回のドラマ。◆仙吉の娘・さと子（岸本加世子）が軽い結核にかかると、景気のいい門倉は自分に面倒を見させろと言うが、仙吉は断る。互いに相手を案じてのことであった。仙吉のボーナスを無断借用しようとした仙吉の父・初太郎（志村喬）に門倉は金を渡し、門倉の妾・礼子（池波志乃）が身ごもったと知った仙吉は家を探しに走り回る。こうした男同士の友情の側で、門倉の妻・君子（岸田今日子）は自殺をはかろうとする。さと子は２組の夫婦の将来を案じるのだった。

教育テレビ開局２０年を記念した大型企画として乗りものの技術史を取りあげた１０回シリーズ番組。第４回は、「名車たちの遺産～自動車・後編」。今日のモータリゼーションの時代がもたらされたのは、自動車が誰にでも運転できる機械として改良が重ねられ、大量生産されるようになったからである。この視点から２０世紀初頭以後の自動車技術の発達を、ハンドル、タイヤ、エンジン、ブレーキなどの身近な改良の側面から細かくとらえ直してみる。