１９６５年～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。◆「軍国主義のシンボルである」と指弾され、国の庇護を失った敗戦後の靖国神社は、日本古来のお盆行事を取り入れた「みたままつり」を新しく作り出した。その祭りを中心に、靖国神社のさまざまな面に触れながら、戦争の犠牲を悼む庶民の心と、靖国神社の関わりを描く。

日本で唯一、島を走る鉄道であった淡路鉄道が１９６６年（昭和４１）に廃止されたときの哀感を描く。◆兵庫県の淡路島では、かつて鉄道が運行していた。洲本・福良間、約２３キロを走った淡路交通鉄道線（通称、淡鉄）である。開業は１９２２年（大正１１）１１月。本州・九州・四国・北海道の主要４島を除く、島における通常の粘着走行方式による鉄道は本線だけであった。１９４８年（昭和２３）に全線電化されたが、１９６５年（昭和４０）９月の集中豪雨によって線路が寸断され、利用者はその間に運行された代行バスの便利さに慣れて、全線復旧後も鉄道の利用は減少していった。また、モータリゼーション化が進む時代の変化にも追いつくことができず、やがて淡路鉄道は運行廃止に追い込まれていった。そして１９６６年９月３０日の「さようなら運転」の日、沿線や駅のホームは淡鉄廃止を惜しむ人びとであふれた。

日ソ航空協定によって東京―モスクワ直行便が運行されることになり、開放されたシベリアの空をはじめ素顔のソビエトをリポートする。（１９６６年７月９日～１９６６年８月６日、全５回）◆この回は、第２次世界大戦の運命を決めたヤルタ、文化の街・レニングラードを取材する。

１９６５年～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。◆佐渡は単純な離島ではなく、常に外に向かって開かれてきた島である。文化史の博物館のように、縄文土器、石仏、国宝の蓮華峯寺、文弥人形、謡などの古い日本文化が残されているが、今また稲作だけに頼る農業から柿づくりへと新しい産業を興そうとしている。

１９６５～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。（モノクロ）◆新潟県、佐渡の南端の小木半島。冬の間のわずかな凪の日に人々は独特のタライ舟を操り、数メートルの海底にアワビ・サザエを求める。岩だらけの磯には普通の舟は向かない。突風に遭い、岩にあたれば舟はたちまちくだけてしまうからである。岩だらけの磯に生きる漁民の知恵がこの単純な形の中に生きている。十二月のある一日、待ちに待ったノリの口あけを迎える。この日ばかりは老若男女を問わず競って磯を駆ける。厳しい自然と共に生きる佐渡の人々のひたむきさと工夫の姿を描く。

１９６５年～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。◆伊豆半島の西北の隅に突出する大瀬崎。駿河の海を隔てて富士を望むこの土地には、古来より武士や漁民の尊崇を集めてきた大瀬神社がある。この神社の４月４日の祭りを中心に、祭りに集まる駿河湾沿岸一帯の漁業の歴史を語る。

１９６５年～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。◆修験道発祥の地、大峰山。その山麓の洞川は修験道と共に発達した村だが、さらにその底には、山国に生きる日本人すべてに共通した生活と心情がある。独特の柄杓作り、胃腸薬「陀羅尼助」作りを中心に、洞川村民の生活と心情を探る。

東京の下町で育った中年男が、人生の半ばを過ぎてある感慨にとらわれ、祖先の出身地を訪ねる旅に出る。