架空の小藩・海坂藩を舞台に描く、下級武士の子・牧文四郎の成長譚。悲運や陰謀に翻弄されつつも剣を極め、己の道を真っ直ぐに歩み続ける青年の物語。原作：藤沢周平。（２００３年８月２２日～１０月３日放送、全７回）◆第三回「ふくと文四郎」。父の切腹から１年半が過ぎ、主席家老の里村（平幹二朗）が牧家の処分を解いた。家禄が元に戻され、出仕には至らぬものの郡奉行支配・山村見回りとなった文四郎（内野聖陽）は、母とともに喜ぶ。また、道場主の石栗弥左衛門（石橋蓮司）から、秋の奉納試合で勝てば秘剣を授けると伝えられた。一方、江戸の藩邸で奉公するうちに藩主のお手付きとなり身ごもったふく（水野真紀）は、世継ぎ争いに巻き込まれて流産していた。

福島県内の数ある祭りの中から「うつくしま祭り５０選」に選ばれた祭りを紹介するシリーズ。（２００３年５月１２日～２００４年２月２日放送、全３０回）◆シリーズのオープニングとして、福島県の代表的な祭り「うつくしま祭り５０選」を紹介する。

日常生活の中に「未来に残すべきもの」を見出し、「世俗遺産」と名づけてゆったりと紹介する。◆ユネスコに認定されるような「遺産」だけでなく、日々の暮らしの中で失われつつあるものの輝きをとらえる。ちんどん屋さん、足踏みミシン、石橋、金魚売り、ヤギ、ガリ版、ひじあてカバー、和船、三輪自動車、火の見やぐら、蒸気機関車など、それ自体とそれらを最後まで支え続ける人々の姿を伝える。

縁あって山形に嫁いできた韓国人花嫁、松智実（ソンジミ）さんは、演歌歌手としてプロデビュー、念願の「歌手になる」夢をかなえた。ひたすらに耐えることを歌う「雑草の歌」をステージのたびに歌いながら、自らを奮い立たせて新たな人生に歩みだす彼女を追う。◆「歌を通して地域に恩返ししたい」と福祉施設めぐりに精を出すさなか、乳がんで両乳房を切除した。歌のために辛い闘病を乗り越えて復帰したが、命のいとしさが次第に大きな叫びとなっていった。

愛媛県の山奥にある小さな美術館は、毎年夏が近づくと全国から集まったかまぼこ板で埋め尽くされる。捨ててしまえばゴミでしかない小さな木の板には、秀逸なアイデアやたくさんの思い出、そして人生が描かれている。その思いを受け止める美術館スタッフの姿を通し、かまぼこ板に込められた人生模様を描く。◆誰でも、いつでも、どんなものにも、人は絵を描くことができる。そんな趣旨ではじめられたギャラリーしろかわの「かまぼこ板の絵」展。病を背負った人、末期がんで会場に来ることができない人、若くして亡くなった人。かまぼこの代わりに人々の思いを載せた３万枚のかまぼこ板が展示されている。

シナイ山の麓に紀元前６世紀に建設された現存する世界最古の聖カタリナ修道院は、２００２年世界遺産に登録された。◆紀元前１３世紀頃、シナイ半島の山中でモーゼは燃えている柴を見つけ、その中から神の声を聞く。モーゼは神の言葉通り、エジプトのイスラエルの民を引き連れ、エジプトを出る。シナイ半島で数々の奇跡を起こしながら、再びシナイ山へ戻って来ると、そこでモーゼは神から「十戒」を受け取る。このモーゼの伝説が残る場所にやがて修道院が作られた。世界最古の修道院として今も２０人の修道士が祈りを主体とした生活を続けている。そして修道院には、初期のキリスト教徒が残した聖書の写本やイコンなど貴重なコレクションが収蔵されている。特に聖書の写本はヴァチカン市国に次ぐ重要なものが数多く保存されている。日々修道士たちは自ら農作業を行い、家畜を飼い、そしてパンも焼き、険しい山々が連なる荒れ地で自給自足の生活を送っている。◆聖カタリナ聖堂、イエスの変容、「燃える柴」礼拝堂、全能の救世主、納骨堂、天国の梯子

「親切」や「優しさ」などをテーマにしたショートストーリー。日常のささいな出来事のなかに隠された、心打たれる瞬間をつづる。◆この回は「修学旅行」。

６６年乗り続けた釣り船を降り、慣れ親しんだ海に別れを告げる決意をした８２歳の船頭の姿を追う。◆竹内さんは１６歳で初めて動力船を操って以来、ずっと常連客とともに季節の釣り場へ船を走らせてきた。まだまだ仕事を続ける体力はあり、気力も失われてはいなかった。しかし陸に上がった彼は、思い切って引っ越すことも決めた。まるで海への未練を断ち切ろうとするかのように。自身の分身ともいえる「たけ丸」は、誰にも譲らず、旧友の造船所に頼んで解体してもらうことにした。