２０１８年春、沖縄県北部に実際に使用していた「私宅監置」の小屋が現存することが公表された。自宅敷地内の小屋などに精神障がい者を閉じ込める私宅監置は、１９００年の精神病者監護法で国の許可のもとに行われた。戦後、本土では禁止されるが、沖縄では本土より２２年も長く続いた。精神医療の遅れ、米軍統治、貧困など、沖縄独特の背景が招いた悲劇だった。沖縄での精神障がいの発症は多かったのか、原因は何なのか。そこには戦争の影響が否定できない。おだやかな県民性さえも関係する。名護市の保健所職員、波照間島の当時の国民学校生らは、私宅監置の状況を生々しく証言する。高齢化で私宅監置の闇を知る人が少なくなる中、今年４月、沖縄県精神保健福祉会連合会が私宅監置の展示会を開催し、最終日のシンポジウムでは、精神障がい者とその家族が壮絶な体験を語った。そして、その一人は最後にある決意を口にする。闇を光に変えるために。二度と繰り返さないために。これから何が出来るのか。今も隔離収容性が高い日本の精神医療の源流であった私宅監置。私宅監置の本当の扉は、どこにあるのか。

岩手県陸前高田市に住む鳥羽葉さん（１８歳）はこの春、進学のため地元を離れる。葉さんは２０１１年の東日本大震災による津波で、父を亡くした。当時小学５年生だった彼女は翌年、震災を体験しての思いを、「私は成長して、安心して卒業するのを見届けてもらいたい。みんなにも父にも…。」と書いた。震災から７年が経ち、高校生の葉さんは、改めて父へのメッセージを込めた作文を書いた。タイトルは「人の脆さと強さ」。震災を通じて「死」というものに触れ、「人は脆くもあり強くもある」と。地元を離れる前の日、葉さんは幼馴染の友人と母校の竹駒小学校を訪れた。懐かしい写真や記憶の数々、思いがけない恩師との再会もあった。「お父さんに成長した姿を見せてもらいたい」。この春、高校を卒業して一歩を踏み出す葉さんの姿を追った。

近未来、架空の地方自治体アギタ県は少子化と人口流出にあえいでいた。この問題に県は大胆な政策を実行。それは、意中の男性を「その気」にさせる、思わせぶりな言葉が記されたカルタを女性同士が提示しあい、ターゲットの男性を奪い合う「思わせぶりカルタバトル」の開催だった。このバトルで結婚までに至ったカップルには、住宅購入費上限２０００万円までの援助、子供を授かった場合は、子供が１８歳になるまでの教育費と医療費を全額免除の特典がつく。仕事が生きがいで結婚など考えたこともなかった２９歳の雑誌編集者・加茂北希（のぞみ）は、母親と同僚の手引きにより、思わせぶりカルタバトルに参戦。闘いの中、ターゲットとされた男性への想いに変化がおとずれる。果たして加茂北はバージンロードを歩くことができるのか。闘いの火ぶたが切って落とされた。（生ワイド番組「ごくじょうラジオ」内で１１月３０日～１２月２１日放送、全４回を公開）

福岡県の花を屋号に、スタジオを横丁の「食堂」に見立て、人情話や地域の情報を伝える生ワイド番組。◆今回のテーマは、「地元で歌い継がれている歌自慢」。福岡が誇る日本茶・八女茶。その八女茶発祥の地・八女市黒木町で歌い継がれている歌が「八女茶山歌亅である。この歌の「日本一大会」が行われているという情報を聞きつけ、ラジオカー「スナッピー亅を派遣。一方、地域で歌い継がれている歌はどのくらい存在するのかを、リスナーから情報を募った。

滋賀県甲賀市にある櫟野寺（らくやじ）は、比叡山の開祖・最澄が根本中堂の用材を得るために訪れた際に霊夢を感じて安置した「十一面観音菩薩坐像」をご本尊としている。番組では、３３年に１度の御本尊大開帳の初日に櫟野寺境内に特設ステージを設け公開生放送した。司会者はインタビューに定評があり「寺ガール」を自称する井上麻子。仏像に造詣の深い、いとうせいこう、みうらじゅんをゲストに招き、多くのリスナーや寺巡り愛好家がステージ前に集まって、櫟野寺本尊の十一面観音の魅力から先代のご住職の思い出話までを楽しんだ。

午前３時から６時まで３時間にわたり、小説をテーマに語り合った特別番組。進行役は、ラジオ・パーソナリティーの秀島史香と、小説『ボクたちはみんな大人になれなかった』の作者であり地元在住の会社員でもある燃え殻が担当した。リスナーからツイッター「＃あの小説」に寄せられた「あなたのお薦め小説」を披露しながら、その小説にまつわるリスナーの思い出や音楽を紹介した。また、燃え殻が小説を出版したことで変わったことや取り戻したこと、燃え殻の深夜ラジオへの思いや、ゲストの尾崎世界観へのインタビューを通して、さまざまな言葉が交わされていく。

サッカー選手を夢見ていたが、交通事故でその道を断たれた主人公・沼田りょう（松田悟志）。現在、壁の清掃の仕事をしているりょうだが、特殊詐欺の受け子という誰にも言えない過去があった。ベトナムからの技能実習生ティン（新納だい）や留学生ガー（新上貴美）とふれあい、かつて関わりの深かった人物との再会から、自身の過去と向き合うまでを描く。

こどもから大人まで楽しめる、新感覚のラジオドラマふう歴史番組。取材した史実をもとに、ラジオならではの娯楽番組として構成した。（２０１８年４月放送開始）◆歴史を彩った多くの偉人・先達たち。彼らはどう生き、何を思ったのか。いろいろな時代の偉人たちのことを探るべく立ち上がった秘密結社、それが「偉人探訪社トキタビ！！」。ボスの指令を受けて潜入調査員が時代をワープ。偉人＝通称“それがしさん”にインタビューし、その人生や知られざるエピソードを調査する。果たして、どのような秘話が聞き出せるのか。主なコーナーは次のとおり。時空を超えて“それがしさん”に会いに行く「それがし調査」。発掘した秘話をもとに構成する再現ドラマ「あの偉人のあの有名エピソード」。“それがしさん”の意外な一面を紹介する「ウラバナファイル」。長い年月を経たモノには神や精霊“つくも神”がつき、魂が宿るとされている。歴史的な遺物に「つくも神」を憑依させ、その声に耳を傾ける「降臨☆つくも神」。◆今回は１５６５年の柳生の里にワープ。剣道新陰流の祖とされる上泉伊勢守信綱と対面する。