瀬戸内の反原発の島として知られるハート型の島、祝島。人口が５００人を切り高齢化の進むこの島に、都市部からの移住が増えている。彼らは反原発の先にどんな未来を描いているのだろうか。◆広島の女性は実習生として島の家庭の生ゴミだけで飼育する養豚を経験し、循環型の暮らしに魅了されて移住した。現在は島の食材を使った食堂を営み、「島の魅力は食に凝縮されている」と語る。札幌の男性は妻子と共に移住し、以前と同様に自家焙煎のコーヒー豆を販売し生計を立てる。移住者たちは、高齢者の生活を助けるグループ活動を始めた。また、島の朝市にも積極的に出店し、島民の人気を集めている。島民らは、対岸の上関原発計画に３０年にわたって反対してきた。原発に頼らない自立した豊かな暮らしを目指して、島の若者たちの模索は続いている。一方、地元選出の安倍首相が施政方針演説で原発の再稼動を明言したその日、祝島では予想外の事態が発生していた。原発反対だったはずの島の漁師らが、電力会社からの漁業補償金１０億円余の受領を決めたのだ。島に激震が走る。

就職氷河期と呼ばれて久しい昨今、大企業志向の強い学生と人材を求める中堅・中小企業の間にはミスマッチと呼ばれる現象も生じている。そんな中、富山大学を卒業した西納敦史さんはこの春、社会人野球の強豪チームである三菱重工名古屋硬式野球部に就職した。西納さんは教師を目指して大学に進学した。エースピッチャーとして富山大学硬式野球部を北陸大学野球１部リーグに昇格させた原動力ではあったが、地方の国立大学野球部出身の西納さんが、どのようにして一般企業の大企業とも言うべき社会人野球の強豪チームに入ることが出来たのだろうか。西納さんの体験談と社会人野球関係者のインタビューを通して、現在の就職戦線の一面を描く。

みやぎ民話の会顧問の小野和子さんは、民話を語る人々に会って話を聞く民話の採集を、４２年間続けている。民話は「語る」ことと、共感をもって「聴く」ことで成立するものだと小野さんは言う。東日本大震災では、民話の会の仲間も被災した。しかし被災５か月後には、民話の語り手から震災の体験を聴く集いを開き、全国から２００人が集まった。◆２回シリーズの１回目は、あの日を語り継ぐために開いた「みやぎ民話の学校～津波を語る～」について聞く。小野さんたちは数年おきに、民話を聞く「みやぎ民話の学校」を開催してきた。２０１１年も開催予定だった民話の学校は震災で中止になったが、「全部流されたけど、私には民話が残った」という語り手の言葉に動かされ、小野さんは、何らかの形で「民話の学校」を開こうと決意した。６人が語る震災の体験に参加者は全力で耳を傾け、それは「語る」と「聴く」の原点を思わせる、密度の濃い時間となった。

土曜の朝の生ワイド番組。野菜ソムリエの資格を持つパーソナリティの高瀬みち子が身近な食材の魅力を伝える看板コーナー「カフェ・ド・ミチコ」、毎週アーティストを決めて好きな曲を投票してもらう「バリ土リスナーが選ぶ名曲ザ・ベスト３」、ユネスコエコパークに認定された綾町から町の魅力を伝える「綾ラジオ畑」などのコーナーで構成する。（２００８年４月放送開始）◆今回はゴールデンウイーク真っ最中といういことで、「宮崎！黄金を求めるラジオバスツアー」と題して、バスガイドに扮した高瀬みち子が、黄金の食べ物やスポットを紹介していく。「カフェ・ド・ミチコ」も黄金にちなんだ食材を取り上げる。“黒柳みち子”の「バリ土リスナーが選ぶ名曲ザ・ベスト３」はドリームズ・カム・トゥルーのベスト３。

三重県津市にある浄徳寺の副住職佐藤弘道さんは、仙台生まれ栃木県育ち。檀家さんの信頼も厚く、外国籍の子ども達に日本語を教えるなど慈善活動にも力を入れている。そんな彼のもう一つの顔は、ビートルズに憧れ、ステージでエレキギターをかき鳴らすロックミュージシャン。型破りながらも、地域の人たちにも愛される佐藤さんは、東日本大震災の被災地復興を支援する「福島の子どもたちを三重へ」プロジェクトに参加している。宗派を超えての活動だ。佐藤さんは、宗教にも音楽にも壁はないと語る。「僧職系（そうしょくけい）」ミュージシャン佐藤弘道さんのライブ活動や慈善活動を通して、副住職とミュージシャンを掛け持ちする彼のモチベーションや、地域の人たちに愛される理由を紐解く。◆レディオキューブ特別番組

常葉大学の山田辰美教授が静岡の自然や身近な生きものを独自の切り口で紹介していく土曜午前の生ワイド番組。（２００５年４月放送開始）◆今回のオープニングはホタルで地域おこしに取り組む浜松市引佐地区の話題。続いて山田さんが毎週自作の詩を通じて日々感じていることを紹介していく「山田辰美の日々のまなざし」。「ふるさとびっくり昔話」では「浦島太郎」を生態学者の立場から読み解き、亀の生態を解説。ラジオカー中継も牧之原市の海岸でアカウミガメの保護と調査を行っているグループを紹介する。そして「ケンケン・乃里子のこれ知り」では鳥の巣研究家の鈴木まもるさんに、子どもを守るための鳥たちの驚くべき工夫と生態を聞く。鈴木さんは鳥の巣を通じて、子育てに悩む現代のお母さん達へのメッセージも語る。

かつて「まだら狼」のニックネームで一世を風靡した悪役レスラー上田馬之助さん（享年７１歳）。１９９６年３月に巡業中の交通事故で半身不随となり、生涯車椅子の生活を余儀なくされた。長年の入院生活とそれに続く在宅介護、時に自暴自棄に陥る馬之助さんを支え続けたのが、２歳年上の妻、恵美子さんだった。退院後、二人は恵美子さんの故郷大分県臼杵市での在宅介護を選び、恵美子さんは傍らで食事、排泄など日常生活を支えた。事故から１５年９ヶ月（５７６０日）後の２０１１年１２月２１日、馬之助さんは最愛の妻に看取られながら、この世を去った。二人の出会いから別離まで、馬之助さんと恵美子さんの数々の知られざるエピソードを交えながら、５７６０日に及ぶ闘病生活を支えた夫婦の絆を見つめた。◆ＯＢＳラジオ特別番組

平日午前の生ワイド番組。（２０１３年４月放送開始）今回のテーマは「やまなしを歩こう」。山梨の女性は日本でいちばん歩かないことが、厚生労働省の国民健康・栄養調査で明らかになったからだ。歩くのは健康に良いとわかっていても、公共交通機関が整っていない地域が多い山梨では、車移動が当たり前。運動生理学が専門の医学博士、小山勝弘さんをゲストに招き、歩くことが楽しくなる活動を紹介する。リスナーからは、歩いているかどうかのメッセージ、継続して歩くための工夫など、生放送ならではの双方向で展開し、さらに世界文化遺産登録目前の富士山エリアのウォーキングコースを紹介。歩き方のコツや、富士芝桜まつりの会場からの中継など、毎日を元気に健康で過ごすための情報だけでなく、歩いてこそ発見できる地域の魅力をリスナーと共に考える。