原材料のからむしは麻の一種。涼感のある会津上布などで知られるからむし織は、奥会津の福島県昭和村で奈良時代からの歴史を誇る織物工芸である。村で作られたからむしの糸は一度新潟県で染色されて一部は越後上布の材料となり、ふたたび村に戻ってくる一部の糸を織り上げる。その一連の工程は農協が管理運営しているが、問題は手織り作業の伝統を受け継ぐ織り手が１０人程度という実情。村では１９９６（平成６）年から全国的に若い織姫を募集して、後継者の育成など新しい展開を図っている。

瀬戸内海と日本海に挟まれた中国地方五県の自然と、そこに生息するさまざまな生き物の生態を伝える。◆今回は光の競演・ゲンジボタルを紹介する。（前編）

宮沢賢治の４つの名作童話の中の印象的な“ことば”を出発点にして、賢治の“こころ”を、今の街の風景の中によみがえらせる読み切り短編シリーズ。◆「セロ弾きのゴーシュ」より『かっこう』。保父をしながら演歌歌手をめざす高橋は、お遊戯会の出しもの「セロ弾きの～」のせりふを必死に練習する由香に驚く。一度はステージをあきらめた高橋だが、由香の一途さに打たれ復活を決意する。◆解説副音声あり

ある平凡な主婦を襲う「多重人格（解離性同一性障害）」という病。彼女の中に存在する別の人格が、彼女の人生を狂わせていく。（１９９６年４月３日～５月８日放送、全６回）◆第一章。漆原市子（大竹しのぶ）は、夫・隆一（中村梅雀）、娘・さやかと暮らす平凡な主婦。しかしある日、町で塚本と名乗る男（片岡鶴太郎）から「直美」と呼び止められ、驚く。以前、同せいしていたと言われ、市子は訳が分からず逃げ帰る。その晩、夕食の支度をしていた市子が突然、別人のように暴れた。隆一に止められて我に返ったが、本人は何も覚えていない。心配になった市子は精神科医を訪ねる。

北海道のアイヌの人々は自然を神と考え感謝しながら生活していた。その民族の伝統的な精神を復興しようという動きが始まった。復活した生活習慣や祭礼を見る。「アイヌモシリ」とは「人間の静かな大地」のことで、人間と自然の共生をアイヌの人たちは何よりも大切にしてきた。人々は忘れられたアイヌ語の復活から始め、農耕、儀式、家屋の再現まで、先祖の心を引き継ごうと努めている。

失恋経験が人一倍多い２６歳のＯＬを含む未婚男女７人が繰り広げる、ひと夏の恋の行方を描くドラマ。（１９９６年７月５日～９月２０日放送、全１２回）◆婚約解消に落ち込むＯＬの恵（坂井真紀）は、街で雷に驚き、通りがかりの男・川嶋（保阪尚輝）に抱きつく。そして、彼に好意を持ってしまう。ラジオＤＪをする恵の母・美津子（野際陽子）は、娘の部屋に盗聴器を仕掛け、こうした一部始終を知っている。一方、アフリカ帰りの渡辺（大仁田厚）は親友の川嶋の家に居候中。友人・晶子（高岡早紀）と万里絵（稲森いずみ）は、恵の失恋を癒す飲み会を開く。そこへ美津子が、担当ディレクターの青木（仲村トオル）と、その友人の川嶋、渡辺を連れて来る。

古来、人間の暮らしは水と切り離すことができない。山紫水明、豊かな水にめぐまれた日本全国から、水と共に生きてきた人々の営みとふるさとへの思いを伝える。◆中国山地東端に源を発し、播州平野を貫く揖保川。川沿いの多くの町がその恩恵を受け、また水害をも受けてきた。人々は水の神の怒りを静めるため、崖に石仏を彫った。揖保川との語呂合わせか、イボ取りの御利益が有るとされている。龍野市は城下町の面影を残す静かな町で、冬になると真っ白なそうめんが外干しにされる。ゆったりと流れる川と人々の暮らしを描く。

１９８７年６月１日の放送開始以来、６０００回を超えて続く長寿ミニ番組。列車での旅を通して、美しい風景とそこに住む人々の生活を描く。◆今回は「お茶の時間」と題して、ペルーのリマ・クスコ・マチュピチュの道のりを紹介する。