廃屋の銭湯を舞台に、元夫婦の愛憎をコミカルに描くドラマ。（１９９９年８月２５日～９月２２日放送、全５回）◆解体業で日銭を稼ぐ山田正太郎（三國連太郎）は、廃業した銭湯で寝起きしていた。２４年前に妻・サヨ子（市原悦子）を捨てて家出し、身寄りはない。ある日、アパートの解体工事現場で偶然サヨ子と再会する。サヨ子は正太郎に２４年前に持ち逃げした５０万円の返済を迫り、そのまま銭湯にいついてしまう。正太郎は結婚相談所を訪ね、借金返済のために金持ちの梶本ユキ（小林幸子）をカモにしようと考える。一方、サヨ子は男たちに追われる若い女・奈美（辺見えみり）を助けて一緒に逃げる。

いま、俳句人口は１０００万人とも２０００万人とも言われる。最近では若い女性が主宰する句会ができるなど、若者たちにも愛好者が増えている。現代を代表する３人の俳人を通し、日本の伝統文芸の魅力を描く。（３回シリーズ）今回は、現代俳句協会名誉会長の金子兜太氏が、ふるさと秩父、変化してきた作風、戦争体験から受けた影響などについて語る。

四万十川に生きる漁師の生活を通じて、３５年間の四万十川の変化を描く。高知放送開局４５周年記念番組。◆自然の変化は、川の変化だけにとどまらず、山の変化も著しい。自然林と人口林、山の荒廃も考えつつ、長い間川を見続けてきた川漁師の言葉、目を通じて、「日本最後の清流」四万十川の変化に警鐘を鳴らす。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさと島根・鳥取の素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを、映像遺産として後世に伝えるシリーズ番組。◆山陰地方でただ一か所、海女漁が行われている鳥取県青谷の夏泊海岸。海女たちが呼吸を整えるために吹く磯笛の音が響く。四百年前にこの地に住み着いた漁師の妻が海女であったことから伝わったとされ、現在は２０人が海に潜っている。平均年齢６５歳と高齢化が進むものの、まだまだ元気に２０ｍ以上も素潜りして漁をする。この地から海女の姿が絶えないようにしたいと海女たちは語る。（鳥取県夏泊海岸）

広島やその周辺を舞台にしたドラマの第８作。今回は若い二人が、訪れた瀬戸内の島で都会暮らしの中で失っていた心の豊かさを取り戻す姿を描く。◆大阪で暮らす由紀は、瀬戸内海に浮かぶ故郷の島に橋が開通したと知り、珍商売を思いつく。借金をして防犯グッズを大量に仕入れ、恋人のサトルと島に向かう。由紀は橋の開通で泥棒が増えると読んだのだがさっぱり売れない。そこで由紀は一人暮らしのトシの家に泥棒に入ることに。すると泥棒効果で品物は完売するが…。

千葉県船橋市に「シロアムキリスト教会」という名前の教会がある。ここの牧師・鈴木さんの両手小指は第二関節で切断され、背中には刺青が彫られている。鈴木牧師はかつて名うての博徒として名を馳せた「元ヤクザ」なのである。人生を欲望のまま生きていたが、命を狙われ原因不明の病にかかった時、死の恐怖に怯え初めて神に祈った。「私のような弱い人間が生まれ変わるには、信仰が必要だった」と鈴木牧師はいう。雑誌やテレビを通じてその存在を知り教会に集まる悩める人々、他に行き場のなくなった人々と鈴木牧師の交流を追う。◆毎週開かれている教会での礼拝、勉強会。「ここならやり直しのきっかけがつかめる」と思い集う人々は、鈴木牧師の活動を通し、何かを探そうとする。人々は何に救いを求めるのかを探る。

知的ハンディを持つ若者６人が、助け合って暮らしていた金沢市車町の「若人の家」。母親代わりだった女性が亡くなってやむなく解散し、５年の歳月が流れた。「若人の家」を出たあと、清さんと登さんが社会の荒波にもまれながらも自立の道を歩み、人間として大切なものを掴みながら生きていく姿を描く。◆「若人の家」のメンバーの中で最も繊細な心を持つ清さん（４２歳）は社会福祉施設「愛育通勤寮」に生活の場を移した。石を加工する工場で毎日汗を流す清さんだが、なかなか人に馴染むことができない。そんな清さんが最近、変わり出した。休日には金沢の町を一日歩きながら、いろんな人との出会いを作るようになったのだ。出会いの中で清さんは、人間は助け合う事が大切だと体で学んでいく。ユーモアたっぷりでひょうきんな登さん（４５歳）は、松任市内のグループホームで生活しながら食肉加工工場に勤めている。仕事を覚えるのが大変だったが、同僚に支えられながら１０年以上も仕事を続ける事ができた。登さんは言う「施設はイヤ。一人の社会人として生きていきたい」と。

関西地区の特色ある建物を映像で紹介する。◆今回は奈良市にある奈良少年刑務所の建築を紹介する。