中国・雲南省。怒江峡谷の少数民族・リス族が暮らすシーディー村は、世界有数の大峡谷で知られる。村と外界を結ぶのは、１５０メートルの激流を渡る１本のロープ橋のみ。人々は体と物資を綱で運び、滑車を付けてロープ橋を渡る。「風の橋」と呼ばれる橋の往来を中心に、リス族の人々の暮らしを描く。

明治維新前後に活躍した薩摩（鹿児島）の群像を描く◆のちの日本勧業銀行総裁の高橋新吉、”山梨の蓑笠知事”・前田正名、正名の兄・献吉の３人が念願のイギリス留学を果たすため「薩摩辞書」を完成させたエピソードを紹介する。

戦後、北海道をテーマに作られた歌は３０００曲以上ある。北海道をイメージさせる曲をひとつ設定し、北海道とは無縁の２人の旅人がその歌にふさわしい土地や人を探して歩き、歌を通して道産子が見落としている北海道の魅力を再発見する。

大気を浄化し、地球の風土を作り、豊かな恵みで人々の暮らしを支える「森」と「水」の不思議を解き明かす。◆森林に覆われている山地には、雨水を一旦貯えて流出する量を調整するという、ダムと同じような機能がある。この働きは森林の土壌が果たしているといわれる。森の土はほかの場所の土とどう違うのか、そのしくみと水を貯えるメカニズムを探る。

高さ３ｍ、重さ１５トンもある、人間の頭部の巨大な石の彫刻が、メキシコの大西洋側で１７個も発見された。メキシコ最古のマヤ文明よりはるかに古い紀元前１２００年頃のもので、「オルメカ文明」「オルメカ・ヘッド」と名づけられた。だが、なぜ首から下がないのか、どんな人種だったのか、何のために作られたのか、全くわかっていない。ピラミッドを思わせる小山と関連しているところから、どうやら支配者（国王）らしい。その地域には似たような山がまだあるので、石の頭ももっと出土するかもしれない。旅人は、きたろう。

日本に現在生息する約５５０種の野鳥のうち、大空を飛翔する姿の美しい鳥たち、澄んださえずりを谷間に響かせる鳥たち１００種の、特色豊かな生態を四季折々の美しい日本の原風景の中につづる。◆この回は、神奈川県横浜市の横浜自然観察の森でシジュウカラの生態を紹介する。

夫と３人の子供を残し、胃がんのため３０代で亡くなった女性の闘病日記のドラマ化。原作：原島久美子。◆夫・貞行（上川隆也）と３人の子供と幸せに暮らしていた久美子（財前直見）は、胃の不調を感じて軽い気持ちで検査入院し、ガンと診断される。貞行は久美子の希望通り、病名を告げた。２人は病気と闘う決意をする。貞行は会社に長期休暇願いを出し、子供たちは久美子の実家で暮らすことになった。久美子の父・真佐夫は、貞行が告白したことを責める。時折病院へ見舞いに来る子供たちが久美子の励みで、子供と一緒に歌った思い出の「アンパンマン・マーチ」を口ずさんで自分を力づけていた。

１９９６年に亡くなった作家・遠藤周作が、インドを舞台に描いた最後の長編『深い河』に込めた思いを探るドキュメンタリー。◆遠藤の死後、『深い河』の構想から初稿までの３年間を記録した日記が見つかった。キリスト教の視点から小説を書いてきた遠藤は、６０歳代に入って自らの描く世界に疑念を感じ始め、インドに旅立った。老いと病の中で旅するうち、女神チャームンダーの像と出会う。それは遠藤が探し求めていた神の姿だった。遠藤が自分の人生を凝縮させた生と死の意味にたどり着くまでの葛藤を描く。