小牧空港に働く神谷翼と隼人の兄弟は、たたきあげの下請け整備補助士と、エリート整備士という典型的な愚兄賢弟。ことごとく反発しあう二人だったが、その前に自称・ゼロ戦エンジニアの天道誉が現れたことから彼らの大空への夢はふくらんでゆく。手作りの自力飛行機を飛ばそうというのである。（１９９４年２月７日～３月３日放送、全１６回）◆翼は５年ぶりに再会する弟・隼人を待ちわびていた。兄弟には亡き父が不運にも手放した飛行機部品工場を２人で再建するという約束があったのだ。翼は名古屋空港で飛行機の誘導業務についている。隼人は飛行機整備士の道を目指し東京での研修を終え、今、名古屋空港への赴任を命ぜられた。ひ弱な印象だった隼人はこの５年間で別人のように強くなって帰ってきた。◆解説副音声あり

舞台は大阪・天満の古い家。童話作家を目指す２１歳の主人公・ぴあの（純名里沙）を中心として、２０代から３０代までの４人の姉妹が、仕事、恋愛、結婚、家など現代の身近な問題に直面しながら、世代を越えて受け継がれていく大切なもの、心のぬくもりを見出す。作：冨川元文。ＮＨＫ連続テレビ小説第５１作。（１９９４年４月４日～１０月１日放送）◆解説副音声あり

風通しのよいサラッとした肌触り、かつて沖縄では誰もが身につけた芭蕉布を、民俗学者・柳宗悦は「今時こんな美しい布はめったにない、本物だ」と驚嘆した。現在、芭蕉布は大宜味村喜如嘉だけで作られている。その核となって芭蕉布一筋に取り組んでいるのが、平良敏子さん。番組では糸芭蕉作りから仕上げまで、「芭蕉布の里」喜如嘉での沖縄の風土が生み出した布作りの過程を描きつつ、「糸との対話５０年」という平良さんの芭蕉布への情熱と努力の足跡を紹介する。

都市銀行の合併劇を背景に、実年世代の銀行マンが己のサバイバルにしのぎを削る姿を描く。（１９９４年１月１５日～１月２９日放送、全３回）◆都銀８位の三洋銀行名古屋栄町支店長の長谷部敏正は部下が持ち帰ってくる支店閉鎖のうわさを不審に思い、同期の本店総務企画部長の石倉克巳に相談する。石倉は頭取の杉本より富桑銀行との合併を極秘で命じられていた。石倉は大蔵省とのパイプを強めるべく部下の神谷真知子を女性初の大蔵省担当に抜てきする。そんな折り、長谷部のもとに同期の一人、西巻の死の知らせが届く。

日本で生まれた子供がなぜ日本国籍をとれないのか。大きく取り上げられた係争中の裁判を取り上げ、無国籍になった背景、属人主義に立つ国内法の不備、かたくなさを衝き、同時に養父母の米国人牧師夫妻の目からみた日本社会の狭量さを告発する。◆長野に住む３歳の男の子アンデレ・リースくんの母親はフィリピン人とみられるが行方不明、父親は誰だか分からない。幸いリース夫妻の養子となったが、日本もフィリピンもアメリカもアンデレくんに国籍を与えてくれない。リース夫妻はアンデレくんの国籍を求めて裁判を起こした。（放送後の１９９４年１月、最高裁は日本国籍を認める判決を出す）

スペースシャトルで宇宙を飛行中の向井千秋さんとＮＨＫのスタジオ、それにオーストリアとアマゾンのまっただ中を中継で結び、地球や大気の貴重さについて意見を交わしてもらい、宇宙のオアシス・生命の惑星である地球を考える。また、向井さんから送られて来た映像、これまでのスペースシャトルが集めた映像で、宇宙から見た地球の姿を、宇宙飛行士の毛利さんの解説によって鑑賞する。

静岡県の特産品・わさび、その発祥・歴史・効能などを探る。◆わさび発祥の地・静岡市有東木にわさび山を訪ね、わさびが栽培されるようになったきっかけを聞く。また伊豆天城湯ケ島町ではわさびの育て方や種類を、静岡県立大学の食品科学科大苗直秀教授にはわさびの防腐剤としての効果を実験してもらう。

新潟県塩沢町に伝わる越後上布。雪国に生まれ雪国に育った上質の麻織物作りは千年以上の長い伝統を持つが、「雪ちらし」までの５０前後の作業工程のほとんどが江戸時代から変わらぬ根気のいる緻密な手作業である。越後上布作りの第一人者、荒川セツ子さんはこの道５０年。母親に習った機織の技術に磨きをかけて新しい柄に挑む一方、町の技術保存協会で後進の指導育成に励む。冬の訪れとともに始まる荒川さんの越後上布への地道な取り組みを、雪景色を背景に紹介する。