各界の著名な夫婦をとりあげ、夫婦の歩みや日常生活を紹介する。◆湯川秀樹さんは日本人初のノーベル賞受賞者。京都大学で物理学を学び、大阪大学の講師となると同時に、京都で１３代続いた医者の末娘であったスミさんと昭和７年に結婚した。中間子理論の発表は結婚２年目、ノーベル賞受賞は結婚１５年目のことだった。◆結婚したときスミさんは、医者の娘だから医者のことはわかるが学者の妻はどうしたらいいのかと質問したという。応じて秀樹さんは、静かに勉強ができるようにしてほしい、望むことはそれだけですと答えた。そのためにスミさんは、受賞以来何かと忙しくなった夫の秘書役に徹している。「学者が研究だけに没頭できる世界」を求めて、夫妻は核兵器反対と世界平和のために積極的に活動している。

「なぎ（番組では、サンズイに嵐の文字で表記）」とは、集中豪雨などが山肌をなぎ崩すように土砂を押し流すことをいう中部山岳地帯の方言。水木洋子氏が長野県の水害跡を取材し、書き下ろしたドラマ。現地ロケの映像を多く使い、人間と自然との関係を一人の水害孤児・哲也（田村達也）を通して描く。

交通事故の死亡者は、日露戦争の死亡者をはるかに超えた。まさに交通戦争である。殺される人と殺す人、それぞれに戦友がつく。それが示談屋である。交通事故があれば、すぐ病院から連絡がくる仕組みになっており、示談屋同志で慰謝料の金額をめぐってのかけ引きが始まる。いわば、現代の死の商人の戦いを通して、人間を告発した作品である。

幕末の激動の中で必死に生きて、大きな役割を果たしながらも、時の流れに逆らったばかりに、歴史に確かな足跡を残せなかった新選組の悲劇を描いたドキュメント時代劇。それまで単なるチャンバラとしてしか描かれなかった新撰組を内部からの視点で眺め、隊員一人ひとりを浮き彫りにした。原作：子母沢寛。（１９６１年１０月１７日～１９６２年１２月２５日、全６３回）◆第５６回「鳥羽・伏見の戦い―後編―」

一人の青年が、ある事件をきっかけに、若者の希望を阻んでいるのは社会だけではなく、自分自身でもあることに目覚める姿を描いたドラマ。努は２０人ほどの工員の組長だが、工員の一人が起した事故をもみ消そうとし、組長を解任される。家では浪人中の弟とけんかになり、恋人のり子のアパートに飛び込んだ。のり子に強引に迫る努だったが、彼女はヤケで同棲されるのは嫌だと断った。

新しいフィルム・ドキュメンタリー番組。現代のあらゆる素材をとらえ、斬新なカメラワークによる映像と音声をかみ合わせ、鋭い文明批評を試みた。（１９６２年４月７日～１９６４年４月４日終了）◆この回のテーマは「コンクリート」。コンクリートが現代文明に投ずるさまざまな波紋を追って、今後コンクリートが生活様式や生活感情をどのように変えていくのかをさぐる。

各界の著名な夫婦をとりあげ、夫婦の歩みや日常生活を紹介する。◆榊原仟（しげる）は東京女子医大病院院長で、心臓外科医。内科医の四男として生まれ、兄３人も医師である。１９５１年（昭和２６）に兄・亨と協力して日本初の心臓手術に成功したのを皮切りに、１０年で３千人を執刀した。米子夫人は大阪の実業家の娘として生まれ、１９４１年（昭和１６）に日本女子大学在学中に榊原と結婚した。夫の体については「紺屋の白袴」だと言う。人の命を預かる医師として、榊原のたゆまざる精進と研究の半生と、家庭人としての横顔を紹介する。

石炭から石油へ、エネルギー転換期のなかで、日本経済を支えてきた石炭産業はどうなるのか。筑豊をはじめ、長崎、山口県下などの炭鉱の実態をさぐったドキュメンタリー。◆技術的側面からみての石炭産業の現状、更に流通機構や、地理的条件からみた産炭地振興策の壁など、石炭産業をめぐる問題を論理的に解明しようとした。