１９５６年４月５日、自由民主党は臨時党大会を東京日比谷で開き、鳩山一郎を初代総裁に公選した。しかし鳩山反対の票が９５票もあり、複雑な党内事情をさらけ出した。

英仏両国のエジプトに対する軍事行動に抗議して大がかりなデモが北京で行われた。そして、数千の市民がイギリス大使館でエジプト占領の不当を叫び、エジプト大使館では勇敢なエジプト国民に激励の挨拶を送った。こうして中東の一画に投げかけられた戦火は、大きな波紋となってアジアにも押し寄せている。（週間話題）

アメリカ南極探検隊の砕氷船エディスト号は、流氷と闘いながらロス海の氷原に入った。バード少将を隊長とする探検隊は、ペンギンやアザラシが愛嬌をふりまく中で、待望の基地建設作業を始めた。

中国残留の戦犯に面会を許された１９名の留守家族は、１９５６年７月１８日、興安丸に乗船、舞鶴を出航した。この中で、病気のお母さんに代わってお父さんに会いに行く少女のいたいけな姿が人目を引いた。（週間話題）

新緑の野を越え山を越え街を通ってスクーターの列が続く。傘の町・岐阜、瀬田の唐橋、奈良の都など、沿道はいま、目を見張るばかりの美しさである。（週間話題）

国民医療確保の声はますます高まり、１９５６年２月２３日「健康保険改悪反対」をかかげて、東京都民大会が開かれた。国会には結核患者代表が政府・与党の首脳部と会見、病人を困らせるような法律は止めて欲しいと切実な声を伝えた。一方、税務署では納税申告の相談で大賑わい。人気スターも、町のおかみさんもなかなかの粘り方。いずれも、国民にとっては共通の悩みである。

入学のシーズンがやって来た。受付の日、親たちは朝早くから行列をつくり、高い受験料を払っても望みの学校へ入れたいと真剣だ。苦しいときの神だのみ、学問の神さま天神さまもなかなかの繁盛。ところが、この春から授業料値上げをもくろむ国立大学では、学生たちが値上げ反対に立ち上がった。悩み多い入学シーズンである。

日本の絹の美しさを世界に広めようと、１９５６年１１月６日、京都で開かれた「着物ショー」、大枚２０万円の豪華版もお目見えし、本場京都のご婦人方をうっとりさせた。