長崎県南高来郡小浜町南本町に「石膏工場」とよばれる小さな工場がある。終戦後、傷痍軍人のひとりが自立更正のために作ったこの工場は、不慣れな事業に失敗を重ねながらも毎年の干支動物を作り続けた。今では県下の美術教育の縁の下の力もちとして、美術教室にブロンズ像を納入している。国や県から補助も受けず、身障者をいつでも受け入れ、自立の工場運営を続けている。弱者の味方、不屈の人間像をつづる。

１８年半、７９４本にわたって続いた長寿紀行番組。地域に根ざして生きる人々を描いた紀行ドキュメンタリーのスタイルを確立した。（１９６３年１０月７日～１９８２年３月１０日）◆本格的なハイウェー時代を迎えて賑わう富士山麓に繰り広げられる人間模様を追う。高速道路に遮られた伝統産業の機織り業者、賑わう遊園地、広大な演習場と返還運動の農民たち。富士は彼らをじっと見下ろす。

東京にあるミッションスクールの高校を舞台に、生物教師・憲一（渡哲也）と英語教師・恵子（栗原小巻）、そして生徒たちが繰り広げる青春ドラマ。原作：石坂洋次郎「だれの椅子」より。（１９６９年４月６日～９月２８日放送）◆第４回「男性もう一人」。モノクロ作品。

１９７０年３月から大阪で開催される万国博覧会の共催イベント「世界のお巡りさんがやってくる」に先立って、参加各国の警察事情をリポートする。（１９６９年９月７日～１９７０年３月８日放送、全２６回）◆この回は「バレリーナのブーリエ」とよばれる手さばきあざやかな交通警官を通して、ユーゴスラビアの警察を紹介する。

札幌市西岡に住む実在の夫婦をヒントに制作された作品。アルバイトをしながら芸術一途に努力する異色の彫刻家と、押しかけ女房で、夫の創作活動をダンプの運転手をして手助けする妻、この２人の間にくりひろげられる人間賛歌。

都市化が急速に進行している今日、失われている「ふるさと」に視点を向け、その社会の長い歴史とともに培われてきた「一族」を通じて、民衆のエネルギーや根強い生活への息吹を掘り起こすドキュメンタリー。放送番組センター協賛番組。◆舞台は九州第一の都市、福岡市。発展目まぐるしいこの都市に、数年前からひっそりと焼芋屋が増えていた。彼らが岡山県北部の農村から出稼ぎにきている集団であることに気づいている人はまだ少ない。この３０人の焼芋部隊の１日を追う。◆焼芋部隊の朝は早く、人々がまだ寝静まっている頃から準備を始める。この部隊には九大卒業の学士も散見される。彼らは一様に大きな夢を抱え、自ら志願してこの部隊に参加しているのである。朝７時、部隊が出発する。彼らはそれぞれにルートを持っており、稼ぎ場所である団地や新興住宅街を練り歩く。多い人で１日７０ｋｍを歩くこともあるという。午後１時、芋がなくなった販売員は本部へ補給を要請。補給を終えた販売員は休むことなく、また歩きはじめていくのであった。午後１１時、ようやく第１陣が本部に帰還。出発してから既に１６時間経過しているが、働けば働くほど稼ぐことが出来るため、皆こぞって長時間労働に勤しむのであった。結局、最後の１人が帰還したのは午前０時を回っていた。こうして焼芋部隊の長い１日が終わり、数時間後にはまた新しい一日の始まりを迎えるのであった。

１９６９年（昭和４４）のスポーツ界の話題を振り返る、年末のスポーツハイライト。◆世界サッカー選手権アジア地区予選、全日本女子バレーボール、世界卓球選手権、世界柔道選手権、三宅ウェイトリフティングで世界記録、第４回国際マラソン、プロ野球（金田４００勝、巨人４連覇）、大相撲夏場所（柏戸引退、大鵬３０回目の優勝）、冬季オリンピック準備すすむなど。

突然ころがりこんできた一人当たり３６５万円也の遺産を四人姉妹がそれぞれ個性的に使いながら、これまた突然あらわれた亡き父の若い愛人と虚々実々との戦いを繰り広げる。美女５人の“金”の使いっぷりを通じて、“金”万能の現代をコメディータッチで風刺するスタジオドラマ。（１９６９年４月１７日～７月１０日放送、全１３回）◆公開しているのは「Ｎｏ．１３（最終回）若者は死ぬ　４対１」。