放送番組センター「5か年の事業方針」

 公益財団法人 放送番組センター(会長:福田俊男)は、来年度2023年度から始まる「5か年の事業方針」を策定しました。副題を~より開かれた"全国放送番組アーカイブ"を目指して~とし、6つの事業方針(柱)のもと、ITも活用し、新たな時代の放送番組センターへと進化することを目指します。
 この中では、IT技術を活用して横浜の施設以外の地域でも番組視聴ができる「全国放送番組アーカイブ・ネットワーク(略称:番組アーカイブネット)」の段階的な整備や、公開番組の教育での利活用を大学から中学・高校に拡大すること、社会共有の「文化資産」としての番組アーカイブの更なる質の向上を図ることなどに取り組みます。
 これによって、より多くの皆さまに、放送番組の魅力に触れていただき、放送番組を通じた社会貢献や放送文化の発展に貢献できるよう努めます。
 また、来年、テレビ放送開始70年を機に、放送の歴史に触れていただけるよう、様々な上映会や企画展示も予定しています。


【事業方針の基本的な考え方】
 センター最大の資産である「番組アーカイブ」をより効率的、効果的に運用・活用し、放送の健全な発展や、番組を通じた社会貢献の更なる充実を目指すことが重要。この認識のもと「より開かれたアーカイブ」として、更に多くの人に「番組アーカイブ」に接してもらえるよう「放送ライブラリー」を拠点にし、IT技術も活用した番組公開の拡充と、公開番組数の着実な増加を目指す。
 また、催事等を通じ、若い世代を中心に放送文化への理解促進に努めること、戦略的広報により当センターの存在感や認知度を向上させること、全国の放送事業者と連携し放送文化の発展に貢献することなどを柱に据え、取り組みを強化する。
引き続き効率的な業務運営に努め、新しい時代に対応した事業・業務の在り方を確立し、センターの使命と役割を確実に果たしていく5年間とする。


【事業方針 骨子(6つの方針)】

1.アーカイブの価値最大化
放送史の記録として、時代を反映した番組やローカル放送局が制作した秀作番組等、幅広い番組の確実な収集・保存に努める。「より開かれたアーカイブ」として、番組の公開を様々な形で促進。社会共有の「文化資産」であるアーカイブの存在価値の最大化を目指す。

2.アクセスポイントの全国拡大
番組アーカイブへの接触機会を全国に拡大させるため、新たに「全国放送番組アーカイブ・ネットワーク」の展開を段階的に進め、放送番組の魅力を幅広く伝え、番組を通じた情報や知見の提供により地域社会に貢献。ローカル放送局の優れた番組を、より多くの人々が視聴できるようにし放送文化の更なる発展に寄与。

3.教育利用の充実と放送文化の理解促進
番組の教育利用の対象を高校や中学に拡げ、利用校の増加を目指す。横浜の施設を、放送を学び、番組視聴を通じた調査研究ができる拠点として整備。企画展、番組上映会、セミナーなどを通じ、若い世代を中心に放送への理解と関心を高めることに努める。

4.戦略的広報への転換
広報機能を強化し、センターの役割や事業の認知度を向上させる。WEBやSNSなどのデジタル手法も活用した戦略的広報への転換に取り組む。

5.放送事業への貢献
放送事業者との連携を更に強化し放送文化への理解促進と放送事業に貢献。

6.財務運営と抜本的基盤整備
期間中に想定される事業運営に欠かせない設備整備は、原則、基本財産を活用することで確実に実施し、将来の効率的運営に資する抜本的基盤整備にあたる。


【6事業方針の下で実施する主な施策】

【方針1】
1. 放送事業者からの番組推薦の拡充、過去に遡及した番組収集の拡大、公開範囲に応じた収集手法の導入を通し、放送史の記録となる番組を確実に収集・保存。
2. 書類の電子化やインターネット、クラウド等のデジタルを活用した効率的な収集・保存。
3. 公開番組の視聴機会増加のため、多様な視点やテーマでの上映会等を開催。

【方針2】
1. IT技術を活用し遠隔地でも番組視聴を可能にするため「番組アーカイブネット」を立ち上げ、拠点都市の図書館等の公共施設に段階的に展開。
2. 「番組アーカイブネット」での視聴可能番組の増強を図り、地域番組や視聴ニーズのある番組を積極的に提供。

【方針3】
1. 大学、および中学・高校の授業での番組利活用を、着実に推進。
2. 利用手続きの自動化など、効率的な運用方法を開発し、利便性を向上。
3. 放送関係の図書・雑誌を研究目的に閲覧できるよう研究環境の整備を進める。
4. 常設展示(横浜)の在り方を検討し、放送を学ぶ場として段階的に再整備。
5. 放送に関わる企画展や上映会を開催し、若い世代を中心に幅広い層に放送の魅力を伝える。
6. 番組制作者などから話を聞く公開セミナーを随時開催。オンライン配信も活用。

【方針4】
1. 広報強化や実務機能との連動などを図るため、ホームページをリニューアル。

【方針5】
1. ローカル放送局が制作したテレビ・ラジオの秀作番組を「番組アーカイブネット」を通じ全国に幅広く紹介し放送事業と放送文化への理解促進を図る。

【方針6】
1.事業運営に欠かせない設備投資は、将来のより効率的・効果的な事業運営に資することを前提に確実に実施。原則として基本財産を活用。
2.これによって5か年の期間中に、新たな時代に対応した放送番組センターとして必要な基盤整備を抜本的に進める。


※本事業方針は毎年点検、3年目に総点検し見直すことがある


詳細な資料は こちら