放送ライブラリーが保存・公開している番組の中から、一つのテーマに沿って選んだ番組を紹介する「番組を視聴する会」。第13回は、本土復帰50周年を来年に控えた沖縄に関連した番組を特集します。
画家、歌手、政治家、日系米兵など様々な立場の人たちが、戦中・戦後に歩んだそれぞれの道のりを記録した番組を選びました。
会期中に、6月23日の「慰霊の日」を迎えます。これらの番組が、本土復帰49年目の沖縄の現状を考えるきっかけになれば幸いです。
【上映時刻・番組概要】全6本
◆10:30~ 『悲しいほど海は青く 沖縄戦最後の県知事 島田叡』
2003年5月28日/47分/沖縄テレビ
第二次世界大戦末期の1945年1月31日、アメリカ軍の上陸が間近に迫った沖縄に県知事として赴任した島田叡(あきら)。米軍上陸が始まると、降り注ぐ砲弾を避けながら壕を転々として行政機能の維持に奔走した。
わずか5ヶ月の任期にも関わらず、「沖縄の島守」と呼ばれるほどに県民に敬慕の念を残した彼の真実を追う。
◆11:30~ 『NNNドキュメント'10 いじてぃめんそーれ 故郷へ進軍した日系米兵』
2010年8月9日/25分/日本テレビ
ハワイ移民2世として生まれ少年期を沖縄で過ごした比嘉武二郎さんは、沖縄戦時に米軍の語学兵として上陸するという過酷な運命におかれた。苦悩の末に、
ガマ(壕)に身を潜める人たちに沖縄の方言を使って投降を呼びかけた。「いじてぃめんそーれ(出てきてください)!」。戦後65年、武二郎さんの胸に去来する思いと、交差して見えてくる沖縄の姿を見つめる。
◇第28回ATP賞新人賞
◆13:00~ 『草の根は叫び続ける 中村文子1フィートの反戦』
2003年5月24日/48分/琉球放送
「1フィート運動」とは、米国公文書館に保管されている沖縄戦記録フィルムを県民のカンパで1フィート100円単位で購入し、平和運動に生かそうと1983年に立ち上がった草の根運動。
教職を定年退職後に反戦・反基地運動に身を投じ、平和運動の鬼と呼ばれ、90歳になっても行動力を失わない「沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会」事務局長・中村文子さんの姿を追う。
◆14:00~ 『日曜美術館 いくさ世の画譜 丸木位里・俊 おきなわを描く』
1984年5月27日/47分/NHK
画家・丸木夫妻の、沖縄の地上戦を描いた「沖縄戦の図」が完成するまでを追ったドキュメンタリー。「原爆の図」で知られる丸木位里さん(83歳)、俊さん(72歳)夫妻は、沖縄に渡り縦4m×横8.5mという大作に取り組んだ。
夫妻は首里に滞在し、戦争の爪痕の残る沖縄各地を訪ね歩いた。そして人々の証言を基にスケッチを重ねていく。
◇1984「地方の時代」映像祭特別賞(平和賞)、第32回ギャラクシー賞奨励賞(シリーズ)
◆15:00~ 『山原シャンソンわが命 石坂真砂・対馬丸を唄う』
1984年8月9日/42分/琉球放送
"山原(やんばる)シャンソン"の歌い手・石坂真砂さんが、「対馬丸」の沈没で失われた友の遺族を訪ね、思い出を語る。1944年8月、沖縄からの学童疎開船「対馬丸」は、鹿児島県悪石島沖で米潜水艦の
魚雷攻撃により沈没、800余りの幼い命が失われた。40年後、海に沈んだ友を想う石坂真砂さんのLPが完成した。
◇第32回日本民間放送連盟賞娯楽番組優秀
◆15:55~ 『OTV報道スペシャル カメさんの背中』
2006年5月31日/48分/沖縄テレビ
アメリカの占領統治下の沖縄で、逮捕・投獄にさらされつつも不屈の闘志で占領政策に立ち向かった政治家・瀬長亀次郎。没収されて届かなかった家族への手紙が、2005年にアメリカ公文書館で見つかった。
獄中の父を気遣う娘の手紙さえ没収された時代から長い年月が経ち、今もなお沖縄には広大な基地が残る。その意味と、沖縄の将来像を問う。
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