放送界の各賞を相次ぎ受賞した、山形放送のラジオドキュメンタリーを地元で鑑賞!
公開セミナー「ラジオを楽しむ!」は、ラジオだからこそできること、またその魅力を伝え、多くの皆さまにラジオにより親しんで頂くためのセミナーです。
今回は、2014年と2015年に放送され、各方面から高い評価を受け、ギャラクシー賞、放送文化基金賞、日本民間放送連盟賞など各賞を受賞した山形放送の2番組を取り上げ、地元・山形で開催します。両番組ともに音楽の力、言葉の力を強く感じるラジオドキュメンタリーです。番組鑑賞後は、制作者から番組への想い、番組作りの苦労など、ラジオ制作現場の生の声を伺います。優れたラジオ番組の魅力に触れる、またとない機会です。ラジオや音楽に興味のある方、ラジオやテレビの制作者を目指す学生の方々、普段ラジオを聴く機会が少ない方など、多くの皆様の参加をお待ちしています。
※2016.1.16 終了しました。セミナーの抄録をこちらに掲載しています。
<お問い合わせ先>
放送ライブラリー
〒231-0021 横浜市中区日本大通11 横浜情報文化センター
TEL 045(222)2828
FAX 045(641)2110
【番組概要】
YBCラジオスペシャル『花は咲けども ~ある農村フォークグループの40年~』
2014.5.31放送/49分
プロデューサー:伊藤清隆 ディレクター:伊藤和幸 ナレーター:松下香織
出演:遠藤孝太郎・青木文雄・横澤芳一・船山正哲
受賞:第52回ギャラクシー賞ラジオ部門大賞,第41回放送文化基金賞ラジオ番組最優秀賞ほか
山形県長井市のフォークグループ「影法師」は、結成40年の"おやじ"4人組。地方や農業の現場から社会を風刺する歌を紡ぎ出してきた。震災から2年後に発表した「花は咲けども」は、震災復興支援ソング「花は咲く」へのアンチテーゼの歌である。「花は咲けども 春をよろこぶ人はなし 毒を吐き出す土の上 うらめし、くやしと 花は散る」と歌い、事故を風化させてはならないと訴える。直接的な被害を受けていない者が福島の被災者の心情を歌っていいのかという葛藤もあったが、「東北で誰かがものを言わない限り、福島は完全に見えなくされてしまう」と、影法師は、この曲を多くのミュージシャンと歌い広めていくプロジェクトを始めた。影法師の歌を通して"東北と中央の理不尽な関係"を浮き彫りにし、歌に込めた思いを伝える。
「影法師」プロフィール
山形県長井市を拠点とする結成40年目のアマチュアフォークソンググループ。
これまで首都圏と東北の不公平な関係を「白河以北一山百文」を始めとする歌で発信してきた。震災から2年後「花は咲けども」を発表。地方に身を置き、仕事を持って、そこで感ずる矛盾や怒りが歌う原動力となっている 。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
戦後70年・YBCラジオドキュメント『未完の五線紙 ~戦没作曲家・紺野陽吉が託した音楽~』
2015.5.30放送/50分
プロデューサー: ディレクター:鈴木啓祐 編集:阿部邦彦 ナレーター:青山友紀
受賞:2015年日本民間放送連盟賞ラジオ教養番組最優秀
2013年4月、山形県白鷹町で町内出身の青年・紺野陽吉の曲が山形弦楽四重奏団の演奏で初演された。演奏は陽吉の生誕100年を記念して実現した。作曲家・清瀬保二の資料の中に半世紀眠っていた楽譜を、20年前に音楽評論家・小宮多美江さんが偶然発見したことで、五線紙から旋律が響くまでに至った。「弦楽二重奏曲」「木管三重奏曲」は、陽吉のふるさとの自然と祭りのリズムを思わせる。もう1曲「弦楽三重奏曲」は未完成だった。陽吉の出征直前の無念の姿が想像された。2015年3月、3曲がCDになった。地元でもほとんど忘れられていた陽吉。田舎に生まれながら音楽にのめり込んでいった青年が何を願い、出征直前に楽譜を託したのか。数少ない証言とわずかな記録をもとに取材を続け、「戦争」を今に伝える大切さを訴えた。