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【セミナー】  公開セミナー「名作の舞台裏」レポート:2012年度

名作の舞台裏 第32-34回『鈴木先生』『なぜ君は絶望と闘えたのか』『カーネーション』 当日の様子をレポートします。


◇公開セミナー・第32回名作の舞台裏 『鈴木先生』◇

日 時 : 2012年4月21日(土)
会 場 : 情文ホール(横浜情報文化センター6階)
ゲスト : 長谷川博己(出演)、河合勇人(演出)、古沢良太(脚本)、山鹿達也(制作)
司 会 : 石橋 冠(放送人の会)
主 催 : 放送人の会、(財)放送番組センター

<作品の概要>
 2007年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞した武富健治によるコミックをもとに、どこにでもいそうな平凡な教師が、どこにでも起こり得る問題について過剰に悩みつつ、独自の教育理論によって解決していく様を描いた。主人公・鈴木先生役は長谷川博己が熱演。放送時、視聴率には苦戦したが、斬新な心理表現や新しい切り口の学園ドラマとして高い評価を受け、ギャラクシー賞月間賞、日本民間放送連盟賞テレビドラマ番組部門最優秀を受賞した。(2011年4月25日~6月27日/テレビ東京)

<セミナーのようす>
 ドラマ化の意図を河合は「今までの学園物で見過ごされてきた"普通の子の些細な問題"に触れ、かつ答えを出さない原作に惹かれた」と説明。山鹿は「第1話の過激な内容にクレームを覚悟していたが一本の電話も来なかった」と笑う。従来のヒーロー的な教師ではなく、ごく普通の人物として描かれた鈴木先生について「家で生徒の妄想をするなど、先生の人間臭い部分を演じられたのは幸せ。悩み方も、地球が終わるかのような過剰さで悩んだ方が面白いと思った」と長谷川。「原作の圧倒的な文字量を表現するためのスーパーインポーズなど、ドラマ の新しい文体を作りだした」と評した石橋に、古沢は「漫画独特の大袈裟な描写をドラマで表すために、あえて難解な言葉でモノローグする方法をとった」と明かした。平均視聴率2.16%と高評価とのギャップに揺れた話題作。"視聴率"と"名作"の関係を考えさせられたセミナーだった。


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◇公開セミナー・第33回名作の舞台裏 『なぜ君は絶望と闘えたのか』◇

日 時 : 2012年11月23日(金・祝)
会 場 : 情文ホール(横浜情報文化センター6階)
ゲスト : 眞島秀和(出演)、門田隆将(原作)、石橋 冠(演出)、岡野真紀子(制作)
司 会 : 渡辺 紘史(放送人の会)
主 催 : 放送人の会、(財)放送番組センター

<作品の概要>
 1999年に起きた光市母子殺害事件を追った『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日(新潮社刊)』を元にフィクションで作られた感動の物語。加害者に手厚く被害者遺族をないがしろにする司法や少年法。その矛盾に立ち向かったジャーナリストと若き被害者遺族。彼らの毅然とした生き方、そして人生をも変える真の友情を力強く描いた。社会に一石を投じる、骨太な本格派ヒューマンストーリー。文化庁芸術祭テレビ部門・ドラマの部大賞(後編)ほか数々の賞を受賞した(2010年9月25、26日/前後編/WOWOW)

<セミナーのようす>
 「係争中の事件のドラマ化という冒険的な企画が実現できたのは、ひとえに上層部の勇気。危険性や制作者側の覚悟をとことん話し合った上でゴーサインを出してくれた」と岡野。スタッフ全員で原作を読み込んでフィクションが入り込む余地を探し「ベースはノンフィクションだが、ものすごく想像力を使った」と明かし、門田も「事件という"固定された事実"以外の部分で架空も含めた様々な人物が登場し、物語を広げていくのがドラマの面白さ」と同意した。被害者遺族を演じた眞島は「絶対に途中で折れず最後までやると最初に決意した」と振り返る。石橋は「難しい企画だと思ったが、50年ドラマを作ってきた今、若者の勇気に加担すべきだと思った」と話した。「俳優としてだけでなく、これから生きていく上でも大きなものをいただいた」と作品への感謝を述べた眞島。多くの人の勇気が完成させた人間賛歌に会場は大きな拍手を送った。


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◇公開セミナー・第34回名作の舞台裏 『カーネーション』◇

日 時 : 2013年3月16日(土)
会 場 : 文化服装学院ホール
ゲスト : 尾野真千子(出演)、上杉祥三(出演)、城谷厚司(制作)、 田中健二(演出)
司 会 : 渡辺紘史(放送人の会)
主 催 : 放送人の会、(財)放送番組センター

<作品の概要>
 連続テレビ小説85作目。世界で活躍するデザイナー・コシノ三姉妹の母親、小篠綾子をモデルにした物語。大正生まれのヒロイン・小原糸子が、大阪・岸和田を舞台に繰り広げる"大阪のおかあちゃん"一代記。着物の時代に洋服に憧れ、ミシンひとつで人生を切り開いていく奮闘ぶりを描いた。2012年度ギャラクシー大賞、放送文化基金賞テレビドラマ部門優秀賞など受賞多数。(2011年10月3日-2012年3月31日放送/NHK)

<セミナーのようす>
 番組にゆかりのある文化服装学院(新宿)で開催。2000人もの応募者の中から小原糸子役を勝ち取った尾野は「朝ドラに出れば、有名になって親にもこの仕事を認めて貰えると思った」と長年の憧れを語り、田中は「他の応募者と比べて尾野さんが圧倒的に良かったのは、男らしい"大阪のおばちゃん"だったこと」と笑った。糸子が洋裁店を開きたいと告げるシーンでは、激昂した父に本当に殴られるという体当たりの演技で臨んだ。「手形がつくほどの勢いに驚いたが、リハーサルを見ながら泣けてきた」と上杉。「その後のシーンで糸子が悲しみを乗り越えようとするところまで描いた。悲しみから立ち上がることこそ、このドラマで本当にやりたかったこと」と城谷。良い作品にするためには、ほんの僅かの妥協もあってはならないという信念で作り続けたという。放送終了後も熱いファンに支えられ続けているこの作品。全国から集まった参加者からは惜しみない拍手が送られた。

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