東日本大震災以降“ラジオの力”が見直されています。放送番組センターでは、昨年から、ラジオの魅力を伝えるために、公開セミナー「ラジオを楽しむ!」をスタートしました。「ラジオを楽しむ!」は、ラジオだからこそできること、またその魅力を伝え、多くの皆さまにラジオをより楽しんで頂くためのセミナーです。
その第3回を、今秋、NHK・民放連共同ラジオキャンペーンが開かれる名古屋で開催します。取り上げる作品は、昨年の放送後、日本民間放送連盟賞ほか各賞を受賞したCBCラジオと東海ラジオ放送の2番組です。番組鑑賞後、制作者から、番組への思い、番組作りの苦労など、ラジオ制作現場の生の声を伺います。ラジオ好きのリスナーを始め、ラジオ制作者を目指す学生の皆さんほか、多くの方にラジオの魅力を伝えるセミナーです。是非、この機会に優れたラジオ番組に触れてください。多くの皆様の参加をお待ちしております。
※2013.10.26 終了しました。セミナーの抄録をこちらに掲載しています。
<お問い合わせ先>
放送ライブラリー
〒231-0021 横浜市中区日本大通11 横浜情報文化センター
TEL 045(222)2828
【番組概要】
「ラジオ特集 隙間 おひとりさまを支える現場から」
2012.5.20/中部日本放送/約48分
プロデューサー:山室雅子 ディレクター:菅野光太郎 効果・編集:舘一孝ほか ナレーター:榊原忠美
名古屋市の「NPO権利擁護支援 ぷらっとほーむ」では、身寄りのない高齢者の身元保証と、金銭管理、契約の代行など、いわゆる成年後見活動を行っている。施設を立ち上げたスタッフの1人、元名古屋市中区長の糸柳さんは、「"おひとりさま"への支援は、行政の立ち入りが難しい部分もあり、行政が見落としている『隙間』」と語る。
あるお年寄りは、認知症で体も不自由。家族との関係は疎遠で、病院への付き添いも糸柳さんが行っている。検査や治療方法の判断は、糸柳さんが家族に代わって行わなくてはならない。糸柳さんは、1人の人間の人生を背負い、最期を見送った。
番組では、官と民、双方を経験した糸柳さんに密着し、"おひとりさま"を取り巻く現状を伝える。認知症の高齢者を支えるために作られた成年後見制度の不備や、"おひとりさま"の支援をNPO任せにする行政の姿など、様々な問題点が浮かび上がる。
受賞:日本民間放送連盟賞〔ラジオ報道番組〕優秀
日本放送文化大賞〔ラジオ部門〕準グランプリ
「よみがえる話芸 節談(ふしだん)説教」
2012.5.27/東海ラジオ放送/約42分
プロデューサー:秋田和典 ディレクター:松波宏治 構成:高橋真裕美ほか 技術:杉浦実
落語や講談など日本の話芸の源流といわれる『節談説教』。僧侶が仏教の教えをわかりやすく説くために言葉に節(抑揚)をつけ、「節が話になり話が節になる」語りで聴衆をひきつけた。江戸時代から昭和初期まで盛んで、1970年代には小沢昭一氏や永六輔氏らが名古屋の浄土真宗の僧侶・祖父江省念氏の節談説教に注目し一時的に静かなブームを呼ぶ。しかし徐々に衰退し、2000年には説教師が10名ほどになってしまったため、2006年『節談説教』の伝承・復活を目指す「節談説教研究会」が設立された。現在の後継者は50名ほどだ。
進行役は講談師の神田京子さん。昭和の名人と謳われた祖父江氏の高座を聞きつつ、話芸研究家・関山和夫さんへのインタビューや、近年、節談説教の後継者として活動を始めた祖父江氏の孫・佳乃さんに祖父の逸話や自身の節談説教への取り組みを聞き、節談説教の魅力に迫る。
受賞:日本民間放送連盟賞〔ラジオ教養番組〕優秀
文化庁芸術祭〔ラジオ部門〕大賞、放送文化基金賞〔ラジオ部門〕本賞
セミナー会場(愛知大学名古屋キャンパス)へのアクセス
名古屋駅から徒歩約10分、あおなみ線ささしまライブ駅下車
近鉄米野駅から徒歩約5分、名鉄バス「愛知大学前」下車